ゲストルーム・パーティールームの使用細則ひな形|予約・キャンセル規定の例
文・合同会社SBGG
共用施設のトラブルの多くは、使用細則に書かれていないことから起こります。「同じ住戸が毎週末を押さえている」「前日に取り消されて枠が無駄になった」「利用料を返すかどうかで揉めた」といった問題は、予約と取り消しの決まりを先に文章にしておけば防げます。
この記事では、ゲストルーム・パーティールーム・集会室の使用細則のひな形と、キャンセル規定の決め方を、国土交通省のマンション標準管理規約に沿ってまとめます。
使用細則の位置づけ
マンション標準管理規約では、対象物件の使用について「別に使用細則を定める」とされています(第18条)。コメントでは、駐車場・倉庫などの共用部分の使用方法や使用料を使用細則で定めることが例示されています。また、使用細則の制定・変更・廃止と、使用料の額・徴収方法は、総会の決議事項です(第48条)。
共用施設の使用料は、その施設の管理に要する費用に充てるほか、修繕積立金として積み立てるとされています(第29条)。つまり、利用料の額や返金の決まりを変えるときは、理事会だけでなく総会での手続きが前提になります。
実際の規約は、マンションごとに標準管理規約から変えられていることがあります。条文の番号や決議の方法は、お手元の管理規約で確認してください。
使用細則に書くべき10項目
| 項目 | 決めること | 例 |
|---|---|---|
| 利用できる人 | 区分所有者・賃借人・同居の家族。来客だけの利用を認めるか | 居住者とその同伴者 |
| 利用時間・単位 | 時間・1日・1泊。開始と終了の時刻 | パーティールーム 10:00〜22:00・1時間単位 |
| 予約の受付期間 | 何日先から、何時間前まで | 利用日の60日前から前日まで |
| 回数の上限 | 1住戸あたりの月の回数、同時に持てる予約の数 | 月4回まで・同時に2件まで |
| 利用料 | 1枠・1日・1泊あたりの金額。無料の施設 | ゲストルーム 1泊5,000円 |
| 支払い方法 | 現金・キャッシュレス・管理費と一緒の口座振替 | 翌月の管理費と一緒に口座振替 |
| 取り消し | 無料で取り消せる期限と、期限を過ぎたときの扱い | 利用日の3日前まで無料 |
| 鍵の受け渡し | 受け取り・返却の場所と時刻 | 前日17時までに管理員室で |
| 禁止事項 | 騒音・喫煙・転貸・営利目的の利用など | 22時以降の大きな音 |
| 損害と原状回復 | 汚損・破損したときの負担、清掃 | 利用者の負担で原状に戻す |
ひな形:ゲストルーム使用細則(例)
そのまま写して、マンションの実情に合わせて数字と場所を書き換えてください。
第1条(目的)この細則は、管理規約に基づき、ゲストルーム(以下「施設」)の使用について必要な事項を定める。
第2条(使用者)施設を使用できるのは、本マンションの居住者(以下「使用者」)が招いた宿泊者とし、使用者が責任を負う。
第3条(予約)使用者は、利用日の60日前から前日の17時までに、管理組合が定める方法(予約システムを含む)で予約する。
第4条(回数)1住戸が予約できるのは、1か月に4泊まで、同時に2件までとする。
第5条(使用料)使用料は1泊5,000円とし、翌月の管理費等とあわせて口座振替で納める。キャッシュレスで支払うこともできる。
第6条(取り消し)利用日の3日前までの取り消しは無料とする。それ以後の取り消しは、使用料の全額を納める。ただし、管理組合の都合による取り消しは全額を返還する。
第7条(鍵)鍵は利用日の前日17時までに管理員室で受け取り、利用後は翌日10時までに返却する。
第8条(禁止事項)営利目的の使用、転貸、喫煙、22時以降の大きな音を禁止する。
第9条(損害)使用者は、施設・備品を汚損・破損したときは、その費用を負担する。
第10条(改廃)この細則の改廃は、総会の決議による。
キャンセル規定の決め方
キャンセル規定は、枠を空けてもらうための仕組みです。取消料を高くするほど直前の取り消しは減りますが、取り消しをせずに来ない(無断キャンセル)住民が増えることもあります。次の3段階で考えると決めやすくなります。
- 無料で取り消せる期限を決める。ゲストルームは3日前、パーティールームは前日、無料の集会室は開始時刻まで、のように施設ごとに分ける。
- 期限を過ぎたときの扱いを決める。利用料を全額いただくか、いただかないか。取り消し自体は開始時刻まで受け付け、枠を空けてもらう。
- 管理組合の都合(設備の故障・工事など)で使えないときは、全額を返す。
取消料を定めるときは、消費者契約法の考え方も参考にします。同法第9条では、契約の解除に伴う損害賠償の予定や違約金のうち、同種の契約の解除に伴い事業者に生ずべき「平均的な損害」の額を超える部分は無効とされています。管理組合と住民の関係にそのまま当てはまるかは場面によりますが、取消料は利用料の額までにとどめるのが穏当です。
前日のお知らせ(リマインド)を送ると、無断キャンセルは大きく減ります。取消料を上げる前に、お知らせの仕組みを整えるのがおすすめです。
パーティールーム・集会室で追加するとよい定め
- 人数の上限:消防の収容人数と、上下階への音の影響から決める。
- 飲食とごみ:持ち帰りか、指定の場所に出すか。
- 利用後の確認:管理員または次の利用者が確認する。写真で報告してもらう方法もある。
- サークル・子ども会の定期利用:毎週の予約を認めるか、回数制限の対象にするか。
使用細則を変えるときの手順
- 理事会で、今のトラブルと変えたい点を整理する(予約の偏り・無断キャンセル・未払いなど)。
- 改正案を作り、住民に事前に示す。予約システムの導入とあわせるなら、操作の説明も添える。
- 総会で決議する(決議の方法は管理規約による)。
- 掲示・回覧で周知し、施行日から予約システムの設定を新しいルールに合わせる。
KYOYO では、予約できる期間・締め切り・1住戸の月の回数・同時に持てる数・無料で取り消せる期限・期限後の利用料を、施設ごとに設定できます。導入の流れは 予約管理の方法、集金の決まりは 利用料の集め方 をご覧ください。
出典・参考
法令・公的な資料は、記事の公開日・更新日の時点で確認したものです。個別の判断は、規約・契約の内容とあわせて専門家にご確認ください。